2013年9月28日土曜日

夏の報告④-“自然と文化を訪ねて”


連続で書いてきたように、この夏もたくさんの方に北タイを訪れ、自然や文化に触れ、いろんなことを考えていただけたかと思います。

特に村でのホームステーについて書きましたが、他にも国境の町や大河メコン、活気あふれる市場、寺院や遺跡など、テーマによってさまざまな場所を訪れます。

テーマも環境だけでなく、歴史や人権、開発など多岐に渡ります。

夏の報告。最終回はそんな村以外の部分をほんの一部だけ紹介します。


ホアファイ村の風景①
 


ホアファイ村の風景②


プラスィン寺で


チェディールアン寺で


国境の町の活気あふれる市場



やっぱタイ料理には欠かせない!



悠久の流れメコン



今年の夏のスタディーツアーのは、東京や愛知、滋賀、京都にある大学の学生と教員のみなさんが参加してくれました。
参加者のみなさんの感想文も掲載してあります。ぜひ、あわせてお読みください。
 
・写真をクリックすると大きくして見ることができます
 

(き)



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

夏の報告③-“パカニョーの生活文化体験”

スタディーツアーで訪れるホアファイ村には、いくつもの民族が集落をつくって住んでいます。
厳密に言えば、それぞれの集落にも、主な民族以外に必ず複数の民族や宗教を信仰する人たち住んでいるというくらい、とても多様な場所でもあります。

さて、いわゆる北タイ人(タイ語の方言を話す北タイの主要民族)の村で“ディナプロ”をした翌日は、パカニョーという少数民族の村で、生活文化体験をします。

具体的には機織りと料理であることが多くなっています。

機織りといっても、糸を染めるところからする時もあれば、糸巻きをし、縦糸を張るところからの場合もあります。

この集落の村人は現在ではカトリックを信仰しているのですが、かつてまだ祖霊を信仰していた時に儀式に使っていた米のお供え物を作ることもあります。
それを包むのに使う葉っぱを取って来るところから始めるのですが、その精巧な包み方にまたびっくり。

これとはまた別に、籾(もみ)米を、足を使って米搗()き器で精米するところから始め、蒸し、杵と臼で搗いてお餅にすることも。
水ではなく黒ゴマを使って搗くお餅は、日本のものとは似て非なる、これまたたいへん美味なものです。

こうしてみると、やはりLinkのツアーって、食べることが多いですね(笑)。

こうして参加者が村の中を行ったり来たりしている間にも、村人から差し入れが入ったり、午後には学校から戻った子どもたちも参加したりして、たいへん盛り上がります。

日本と違うこと、同じことを村人から教わったり、知らなかったけど昔は日本もそうだったことなどに気づいたりしながら日が暮れるころ、初日にはドキドキだったホームステー先にもっといたいという人が続出していきます。
まったく言葉も通じないのに・・・・。

最後の朝、村を出る時にはバナナだの、前の日に搗いた餅を揚げたものだの、さらには自分で織った作品までもらえて何度も嬉しい、そんな23泊のホームステー体験です。


機織りに挑戦。縦糸をはる


織る!


精米したコメを風選する


粽(ちまき)のようにしたコメを茹でる


ゴマを加えながらの餅つき


そしてまた、食べる!


 
・写真をクリックすると大きくして見ることができます。
・今年の夏スタディーツアーのこの他の写真を、参加者の感想文とともに見ることができます。http://www.geocities.jp/link_chiangmai_forest/STLOG/STLOGtop.html



(き)


 

2013年9月27日金曜日

夏の報告②-“ディナプロ”

Linkは北タイで、山村住民の森林保全活動を支援する活動を行ってきました。
スタディーツアーでは、その現場で村人の話を聞くなどして、Linkの活動に対する理解を深めてもらうことが一つの重要な目的です。

しかし、わずか数日の間に専門的なことまで説明することは難しい。
それにせっかく現場に来ているのですから、村のくらしや文化を広く体験してもらい、この地域の人々にとって森がどういうものなのか、先ずは森に生きるということがどんなことなのかを、体験的に知ってもらおうとしています。

そうした中の、一つの試みが“ディナプロ”です。
丸一日かけて朝から食事を作ります。
“ディナプロ”とはディーナー・プロジェクトの略と言うか、語呂合わせのような感じでいつの間にか付いた名前ですが、実際には昼食もおやつも作ります。

村人の指導の下、終日かけて、森や畑、家の周りから次々と食材を調達しては、あれやこれや作りまくり、食べまくります。
どれも村人が日常的に作っているものばかりです。


例えばココナツミルクを使う料理の場合は、まずはヤシの実を木から取って来るところから始めます。
ヤシ殻を取り除いて固い殻を割り、ジュースはコップに受けて飲みながら、内側に付いた脂肪たっぷりの胚乳を手作業で削り取り、水に浸してココナツミルクを絞って作ります。
万事この調子。
ニワトリも魚も生きていることろから調理します。
野菜もタケノコもバナナも、カゴを担いで山や畑から採ってきます。
山のくらしの豊かさ、村人たちの生きるための知恵や技、命の尊さ・・・・
 
たくさんのことを感じ、学びとりながら、最後には自分で作ったものをほおばる充実感を、朝から晩までかけて味わってもらう、それがこのプロジェクトです。

畑から野菜を採ってくる
加工する!
ニワトリの羽をむしる

 
ココナッツの胚乳を削ってココナツ・ミルクを作る
最後はもちろん、腹いっぱい食べる!

・写真をクリックすると、大きくして見ることができます。
・ここに掲載したほかにも今年の夏スタディーツアーの写真は、参加者の感想文とともに見ることができます。http://www.geocities.jp/link_chiangmai_forest/STLOG/STLOGtop.html


(き)

 




















2013年9月23日月曜日

夏の報告①-山の植物を見て歩く

恒例となった、駒澤大学とホアファイ村中学校、ホアファイ村青年団が、Linkの支援を受けながら共同で行う水質調査。
5ヵ年計画もいよいよ最終年となり、残すは冬の一回きりとなっています

今回は水質調査の他に、駒澤大学の植生の専門家である清水善和先生(写真1枚目、左から二人目)のご参加も得て、チェンマイ近郊のドーイプイ山とホアファイ村の周辺で植物の観察もすることができました。
ほんの短い時間でしたが、専門家の説明を受けると、目から鱗のような話ばかり。
鬱蒼たる緑に、大いなる興味をかき立てられるのでした。

以下にそのごく一部を写真でお見せします。
これら不思議な植物について何かご存じなお方は、是非ご教示ください。
 

 


                不思議な形の葉っぱ

地を這う黒い根っこのようなものから突如、直径1cm程のこんな実がついている。なんでもイチジクの仲間とか

時計草。そう、見えますか?

  雨の降りしきる湿地林           
           なんでも“絞殺しの木”だそうで、取りつかれたほうは、やがて枯れてしまいます
 
平家物語でご存じ沙羅双樹の木。幹からいきなりトゲトゲの枝が出て、その先に花が咲きます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
木の幹に取りつく不思議な植物たち。バナナのようなほうの中は赤紫色をした空洞で、たくさんの水が蓄えられていて、真っ白な短い根っこが生えています。説明しても何のことか分かってもらえないですね、きっと。

 
 
 

フタバガキ林の向こうに雨の柱が見える。



 




(き)

2013年5月13日月曜日

(お知らせ)エコライフ・フェアに出展します

Linkより~東京方面にお住まいのみなさまへ~

いつもご支援いただき、誠にありがとうございます。
さて、去る3月をもって、ランパーン県スィードンムン村の機織りグループ ”ナムモン・ジェーソン”への支援を終了することとなりました。
森を守りつつ森の恵みを活用、伝統技術を駆使し、収入向上にもつなげてきたこの村の草木染めハンディクラフト生産は、しっかり地域に根付いたものとなっています。
森林再生活動とともに、さまざまな障害を克服しながら少しずつ実力をつけてきました。3月の訪問で、今後は村人だけで進めていけると判断し、村人ともハンディクラフトの購入支援を打ち切ることで合意することができました。

Linkでは、日本の皆さまにこの活動を知ってもらえる最後の機会として、環境省主催のエコライフ・フェアに出展します。
このたびは ”全品 大幅値下げ” の上、在庫処分を行うとともに、Linkの活動紹介を行います。
お時間のある方はお誘い合わせの上、是非おいで下さい。

日 時:2013年6月1日(土)11:00~17:00
                           2日(日)10:00~17:00
場 所:都立代々木公園 ケヤキ並木およびイベント広場

※イベントの詳細はこちら⇒http://www.ecolifefair.go.jp/index.html

※Linkのハンディクラフトについては以下のページをご覧ください。
http://www.geocities.jp/link_chiangmai_forest/subpage/subpage06.html

では、みなさまにお会いするのを楽しみにしております。

2013年5月6日月曜日

(お知らせ)関西でハンディクラフト処分市

Linkより~関西方面にお住まいのみなさまへ~

いつもご支援いただき、誠にありがとうございます。
さて、去る3月をもって、8年間に渡ったランパーン県スィードンムン村の機織りグループ ”ナムモン・ジェーソン”への支援を終了しました。
森を守りつつ森の恵みを活用、伝統技術を駆使し、収入向上にもつなげてきたこの村の草木染めハンディクラフト生産は、しっかり地域に根付いたものとなっています。
森林再生活動とともに、さまざまな障害を克服しながら少しずつ実力をつけてきました。3月の訪問で、今後は村人だけで進めていけると判断し、村人ともハンディクラフトの購入支援を打ち切ることで合意することができました。

Linkでは、これらの製品を日本で販売し、他の村での活動資金の一部にもさせていただいてきました。
このたび大幅値下げの上、在庫処分を行うことになりました。
関西で開催できるのはたった1日ですが、お時間のある方はお誘い合わせの上、是非おいで下さい。

Linkのハンディクラフトについてはこちらをご覧ください。

みなさまとの再会を楽しみにしております。

日 時:2013年5月25日(土)   10:00~17:00
場 所:〒660-0084  尼崎市武庫川町4丁目27-1
    〔阪神電車神戸線『武庫川駅』 下車徒歩2分〕
 電話:06-4869-3444
        (月~金 10:00 -19:00 / 土 10:00 -15:00)
  http://www.myticket.jp/about-myticket-doko.html

2013年4月15日月曜日

ソンクラーン祭り


毎年413日から15日は、“ソンクラーン”と呼ばれるタイ暦の新年です。
日本でいう元旦にあたるのは15日ですが、この3日間はタイ全土がお祭りらしい雰囲気に染まります。

ソンクラーンの期間中は、町中で水を掛け合って盛り上がります。
私も初日の13日に、チェンマイ市内で一番盛り上がるエリアに水鉄砲を持って行ってきました。
「サワディー・ピーマイ!(新年おめでとう)」と言い合いながら、誰かれかまわず水を掛け合います。
お祭りの期間だけは、誰に水を掛けられても怒ってはいけない無礼講。
町中に笑顔があふれていて、楽しいお祭りです。

(け)


【写真】盛り上がる町なか



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2013年4月4日木曜日

日本への義援金

チェンマイでは、朝日や読売、日経新聞などの邦字紙を、大手の書店などで買ったり自宅まで配達してもらったりすることができます。

きのう43日の朝日新聞の一面に、東日本大震災後に海外から日本赤十字社に寄せられた義援金の額が、国・地域別に掲載されていました。

アメリカ合州国の29.9億円、台湾からの29.2億円に続き、タイは第3位で20.5億円。

中国はオマーンに続いて第5位でしたが、第9位の香港と合わせると16.9億円で第4位。

いわゆる最貧国からの支援もありました。

例えばアフガニスタンや東チモールからも、1億円前後の義援金が寄せられたそうです。

国ごとの状況や経済的格差を考えると、これらの国からの思いがどれほどのものであったことか・・・・・

数字ははっきり見えるだけに、取り扱いにはいつも注意が必要だと思っています。

でも、たまにはこうした数字から、いまの日本について考えたり、反対に日本から他の国々に思いを馳せたりするのも悪くないもかも知れません。

なお、震災当時のチェンマイの人たちの様子については、このブログの201168日に「タイの人たちの思い・・・・・」という記事を書いています。既読の方も、よかったらいま一度、併せてご覧ください。

(き)

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2013年3月18日月曜日

ヴィアンターカーン遺跡を訪ねて


316日、休日を利用して、チェンマイ市内から30kmほどの遺跡を訪ねてきました。

遺跡の名前はヴィアンターカーン。

13世紀にタイ族の一派がチェンマイを首都にランナータイを起こす以前の、ハリプンチャイという国の時代に由来する、古いものです。

出土したものをなるべくそのまま残しておく、または徹底的な検証の下、史実に基づいて忠実に再現しようとする日本人の遺跡感からは、想像を絶する修復というか再建、またはきれいに芝を敷いた公園化が進むのは、タイのどこの遺跡でも見られる現象です。

出てきた遺物や人骨なども、道路わきに無造作に置かれたまま。

しかしここに数百年前から人の営みがあり、その遺物や遺構がいまに伝えられたのも事実で、緑豊かな公園の中を散策しながら、しばし古に思いを馳せたのでありました。


ワット・クラーンムアン寺


ワット・クーマイデーン寺

ワット・ウボーソット寺


ワト・パーファイルアック寺

(き)




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2013年1月11日金曜日

ロンキーレック村で“完成式”を実施


 きのう、ドイサケット郡チュンドーイ区ロンキーレック村で“完成式”を行いました。
 式には、村人や村の中学校の先生方とその生徒たち、この村での活動を支援していただいたペアレンツキャンプの水野代表理事、Link財団のプルック会長にも出席していただきました。

ロンキーレック村の“完成式”


 ロンキーレック村では、初めて中学生たちが中心になってもらい、村の生き物の情報を集めました。
 そして、集まった「鳥」と「魚」の情報を、それぞれ専門家に論評いただき、村の環境がいまどのような状態かを、冊子に掲載できました。

 完成式の前にはその生徒たちに対して、Google Earthの使い方の講習を実施しました。
 村の未来を担うその地域の子どもが、世界に目を向けながらも、自分の村をもっと知るきっかけにしたいという目的が“村の百科事典”に含まれています。

Google Earthの講習を実施


“村の百科事典”を手にして、真剣な子供たち

 今後、チュンドーイ行政区自治体と共同で、区内の全村で活動を行う予定です。
 今回活動を終了したロンキーレック村はその一村目となりました。
 次は、多くの村の水源地である森を擁し、区の中で最も面積の広いメードクデン村で活動していきます。


(け)


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2013年1月10日木曜日

ペアレンツキャンプの水野氏がチェンマイ訪問

 18日から14日まで、ロンキーレック村での活動を寄託事業として支援いただいている(社)ペアレンツキャンプの水野達朗代表理事がチェンマイを訪れています。

来られてからの数日間は、寄託事業のあり方などについてのミーティングを行い、貴重な意見を伺うことができました。

また本日は、ロンキーレック村での完成式に、水野さんにも出席いただくことになっています。
生物情報を集める際に協力してもらった中学生も、参加予定です。
“村の百科事典”を手にした時の中学生の表情を見るのがいまから楽しみです。


Link事務所の前で
(左から木村、サムニアン、久留島、外間(インターン)、水野氏、岡部)

  完成式のようすは次回のブログでお知らせします。


(け)

2013年1月2日水曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

正月二日と言うのに今日はスタッフ全員が事務所に
揃って仕事をしています。
その理由を書く前に、これまでの活動の経過を。

まず1223日から29日までの間、恒例の駒澤大学と
ホアファイ村中学校、ホアファイ村住民とLinkによる
“水環境から村のことを知ろう”を実施しました。

年々データも増え、中学校側との連携もさらによく
なり、たいへん有意義かつ楽しい交流事業となりま
した。

〔写真1〕ホアファイ村中学校と駒澤大学の共同調査1. 
 

〔写真2〕ホアファイ村中学校と駒澤大学の共同調査2.
 
  
28日にはトゥンピー区最後の活動地であるノンパカー
村での完成式が行われました。
 
 
  
〔写真3〕ノンパカー村での完成式の様子
 
 
1月には10日にチュンドーイ区最初の活動地であるロン
キーレック村で、支援者の() ペアレンツキャンプ
代表理事の水野達朗さんの参加も得て、完成式を行う
予定です。
 
実はその原稿の入稿をあすに控え、きょうは正月早々
スタッフ総出で作業しているというわけ。
その後は6日までお休みとなります。
 
今年の正月は暖かく、昼間は扇風機が欲しくなる陽気
です。
 
本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。
(き)
  
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