2011年10月28日金曜日

初参加!山あり谷ありのGPS測位

1024日(月)、パンフェーン村へGPSデータの測位をしに行ってきました。私がチェンマイに来てから約半年が経った今回、初めて測位に同行することができました。

 「山で野宿しながら、何日もかけてデータを集める」
 「急斜面を登ったり降りたりするので生傷が絶えない」
 測位の様子を聞いていると、「私にできるのだろうか?」と弱気になってしまいます。しかし、山登りをした経験はほとんどないものの、高校生の時にマラソン大会で学年3位になった持久力で、村人について行こうという意気込みで向かいました。

 パンフェーン村に着くと、早速3人の村人が先導役となって測位が始まりました。村人たちはいきなり山の斜面を登り始めるので、田んぼの周りを測位すると思っていた私はついて行くので必死になってしまいました。村人とスタッフのサムニアンさんは斜面だろうがお構いなし。平地と変わらないスピードで上がっていきます。私は体力があるというのは思い込みだったことに気付き、村人において行かれないように歯を食いしばって登っていきました。



            〔写真1〕強い日差しが照りつける中、測位へ向かいます

 初めて体験する測位は、予想していた以上にハードでしたが、充実した一日でした。それは、村人たちの優しさやサムニアンさんが時折はさむギャグのおかげでもありました。私も当日使用した3台のGPS機械のうちの1台を持たせてもらい、危険だと止められた1ヶ所を除いて全部のポイントを自分の足で測位しました。急な斜面は、村人の助けがあったから登ることができました。

                   〔写真2〕大きなムカデを発見

 今回の経験を通じて、一から地図を作成するためには超人的な肉体と根性が必要であることを実感しました。今の私では顔色一つ変えずに軽い足取りで山を歩く村人やサムニアンさんの足元にも及びません。しかし、これを機会にして私もいつか、自信を持って「体力がある」と言えるようになりたいと思っています。

 パンフェーン村は、今まで活動してきた村の中でもっとも広い村です。そのため、GPSデータを集めるために今まで以上に時間がかかっています。私が同行したのはこの1日だけでしたが、サムニアンさんはこの後さらに2日間続けて村人と測位に出かけて行きました。



 後日サムニアンさんが、私が一緒に歩いて測位した行程をGoogle Earthで見せてくれました。広い村のごく一部でしたが、地図で見ると歩いた距離と測位したポイントがよく分かりました。パンフェーン村の“村の百科事典”は今年中に完成する予定です。完成したら、真っ先に自分が測位した場所を地図のページで確認したいと思います。
                〔写真3〕山の厳しさと楽しさを実感できた1日でした

(け)



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2011年10月20日木曜日

ラオス、イサーン研修

 10月10日(月)の夜から17日(月)の朝まで、ラオスのヴィエンチャンと、東北タイ(イサーン)のノンカイ、ウドンタニへ研修で行ってきました。自分の足で歩き、現地の交通機関を使いながら、その街に暮らす“人”や“土地の文化”を感じた7泊8日。書きたいことはたくさんありますが、ここでは以下の3つ(+番外編)に絞ってレポートしたいと思います。

① ブン・スアン・ファー(ヴィエンチャン)
 10月13日に、“ブン・スアン・ファー”と呼ばれるラオスの一大イベントが開催されました。“ブン・スアン・ファー”とはラオス語で「ボートレース祭り」という意味です。その名の通り、村や会社ごとに約30人のチームを組んで、ボートで競い合います。



ヴィエンチャンはラオスの首都とはいえ、チェンマイに比べれば静かで小さな街です。しかし、このお祭りの日は例外で、メコン川沿いの通りに多くの屋台が並び、たくさんの見物客で大賑わいでした。村からお父さんを応援に来た子どもたちとそのお母さんたちの姿、多くの外国人観光客の姿も見られました。
 照りつける太陽の中、朝の9時から夕方6時頃まで行われた“ブン・スアン・ファー”。地域の結束や家族の絆を感じられるイベントに参加でき、充実した1日でした。


          〔写真1〕“ブン・スアン・ハー”の様子。川岸にも多くの人がいます

② 鉄道(ノンカイ~ウドンタニ)
 ヴィエンチャンを後にし、メコン川を挟んでラオスと国境を接するタイの街、ノンカイに向かいました。ノンカイは東北線の終着駅で、ここから2駅先のウドンタニまでは鉄道で向かいました。約1時間の旅です。
 タイの交通は鉄道ではなくバスが主流ですが、ノンカイ駅構内には多くの人が列車を待っていました。土曜日の昼間だったせいか乗客のほとんどが家族連れで、車内は鉄道の旅を楽しむ笑い声であふれていました。私はというと、全開の窓にかじりついて、目の前に広がる田園風景や東北タイの田舎の景色を堪能していました。
                  〔写真2〕東北線の終着駅ノンカイ             

             〔写真3〕列車がノンカイに入ってきました

③ バーン・チアン遺跡(ウドンタニ)
 さて、ウドンタニへ無事到着し、向かったのはタイに3つある世界文化遺産のうちの1つ、バーン・チアン遺跡です。ローカルバスを利用したのですが、降りる場所が分からないので、車掌さんに「私はバーン・チアンに行きたい」とアピールしておくと、降りるバス停を教えてくれました。
 バーン・チアンは、1966年にその小さな村から発掘された土器が紀元前3000年頃のものであると判明し、注目を集めました。その貴重な土器や人骨などは博物館に展示されており、一つ一つ見ていくと遥か昔の生活が浮かび上がってくるようでした。



               〔写真4〕バーン・チアン博物館の入り口


 今回のブログでは、話題を3つに絞って書きましたが、ラオスやイサーンの文化について少しでも身近に感じていただければ幸いです。
 最後に、ウドンタニのバスターミナルでの小話を書きたいと思います。チェンマイ行きのバスを4時間待つことになったのですが、ある出会いのおかげで退屈せずに過ごしました。

【番外編】「おじさん、ありがとう」
 出発時間までベンチでひたすら待ち続ける覚悟をした時、近くにスルメを売っている屋台を見つけました。スルメは、お客さんが来てから炭火で焼き、その度に香ばしい匂いが広がります。無口だけど黙々とスルメを焼くおじさんと、買っていく人々の嬉しそうな顔を見ていると、あっという間に時間が過ぎていきました。私も最後にスルメを買い、おじさんの「コップンカップ(ありがとう)」という言葉に「こちらこそありがとう」と言葉を交わしてチェンマイ行きのバスに乗りました。何気ないウドンタニの日常が、最後まで私を楽しませてくれました。


                 〔写真5〕バスターミナルのスルメの屋台  


(け)

*写真はすべてクリックすると拡大して見ることが出来ます。


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