2010年6月29日火曜日

森の出家

日曜日に、サンカンペーン郡にあるペ村で、“森の出家”に参加してきました。
森の出家。スタディーツアーに参加された方はご存知かもしれません。

この儀式は、その名の通りに木を出家させるものです。僧侶は人間が出家する時と同じようにお経をあげ、僧侶と村人みんなで木に布を巻いていきます。巻く布の色は、タイの仏教僧が着る袈裟と同じオレンジです。



        〔写真〕木に布を巻く様子(ぺ村 村長)



           〔写真〕“袈裟”を着た木


こうすることによって、木の一本一本が、人々から尊敬され大切にされる僧侶と同じになり、「この木を伐るのをやめましょう」というメッセージを打ち出すことができます。森の出家は、森林保全の活動の一つなのです。
また、出家した木が伐られにくくなるだけでなく、この行事を通して森林の大切さや、森を守る活動を村や周りに啓発していくことも、この活動の大事な目的となります。

私とサムニアンがぺ村に着いた時にはスピーカーから大音響で音楽が流れていて、お祭りのように賑やかでした。7人の僧侶、たくさんの村人と一緒に、私も木に“袈裟”を巻かせてもらい、振る舞われた料理をみなさんといただいて、家路につきました。

(ちぐさ)



             〔写真〕森は大切

2010年6月27日日曜日

チェンマイ帰還

1ヵ月以上もブログを放り出し、日本に帰国していました。
関西で、関東でお世話になったみなさま、今回もほんとうにありがとうございました。

きのう朝5時過ぎに東京の実家を出発。
香港、バンコクを経由して、日本時間の午後10時(タイ時間の午後8時)にチェンマイ空港に着きました。
空港から自宅までは車で15分(チェンマイは市内のたいていの場所に20分もあれば行けるのです)。

33日間。今回の帰国は8年前にこちらに来て以来、最長のものとなりました。

静かな夜を迎えています。
帰国が長かったせいか、この静けさを打ち破るようなトッケーの鳴き声がずいぶん懐かしく感じられます。
北タイでは他にトクトー、トゥッケーなどと呼ばれる鳴き声の正体は、トカゲです。
それもけっこうデカイ。

我家にもいて、久々のブログを書くために、いつも夜になると出没するところ(これを書いている私の部屋のすぐ外側の壁)にカメラを持って行ってみました。
夜しか現れないのでどうかと思ったのですが、ちゃんといたいた。
体調は30cmくらい。

トッケーの名前はその鳴き声から来たもので、数回繰り返し鳴くのが特徴です。
初めての人はみな驚きますが、「続けて7回鳴くのを聞くとい良いことがある」なんてジンクスがあったり(たいてい4~5回で終わることが多い)、タイの人たちにはとても馴染みのあるキャラクターなんです。

ナント、これを書いているたったいま、本日最初のご発声、しかも7回鳴いてくれました!!
これ読んでくれてる皆さんにもきっといいことがありますよ!

チェンマイでも引き続き活動に精進したいと思います。
どうかよろしくお願いいたします。

〔26日タイ時間午後10時30分記〕
(き)




〔写真〕怖い? かわいい? 我家の守り神、トッケーさま
      *写真をクリックすると、画像を大きくして見ることができます

2010年6月26日土曜日

おひさしぶりです。

ずいぶん久しぶりの投稿になってしまいました。
千草です。
チェンマイの今年の夏は本当に暑くて、体がびっくりしていました。
もう雨季のはずなのに雨が少なくて、暑い!! でも、数日前から雨もちょっとずつ降りだしています。


木村会長が講演のために帰国していましたが、きのう無事にチェンマイに戻ってきました。

会長の帰国講演中も、私はスタッフのサムニアンとチェンマイ事務所で元気に働いていました。
サムニアンは活動村を積極的に訪れて、GPSで村境や共有林の境界を測位して回っています。私はもっぱら会計処理作業や、さまざまな書類の整理など事務処理に追われる毎日でした。
私たちのような小さなNGOは、事務も現場での活動も1人でやらなくてはいけないことがよくあります。「なんて忙しいんだ!!!」って思う事もたくさんありますが、本当に“充実”しています。


あるインターンに、
「千草さんが村にも行っているのはもちろん知っています。でも、事務所での作業がずっと続く時、どうやってモチベーションを保っているんですか?」
と聞かれたことがあります。


確かに、ちょっと目には、私が単にパソコンや書類に向かっているだけに見えるかもしれません。でも、そのパソコンや書類の先には、必ず村がつながっているんです。村での活動をよりよいものにするために、大切なことなんだと思っているから、そう言った意味での「モチベーションを保つ」必要がないと思っています。村でも、事務所でも「わくわく」する瞬間がたくさんあるのです。

先日も、「村と事務所がつながってる!!」と、私をわくわくさせてくれた出来事がありました。

6月11日に、活動中の村の一つ、ノンパサン村のホイナムディップ集落の方たちが、農業研修でチェンマイにやってきたついでに、8人で事務所に会いに来てくれたのです。サムニアンが、プロジェクターを使って衛星写真などを皆さんにもみてもらい、地図作成や、私たちの事務所での仕事について説明しました。


私は手が離せない仕事があって少しだけしかお話しできなかったのですが、彼らの帰り際、私が
「オボ ウジャ(ラフの言葉の“ありがとう”。※ホイナムディップはラフの集落です)」
と声をかけるとひとりが「オボ ウジャ」と返してくれ、また別のおじさんが「オボ ウジャ」と言ってくれたので私も返し、またまた別のお兄さんが「オボ ウジャ」と言ったので、私も… という「オボ ウジャ合戦」をしました。

その時の村の方々の表情がとっても印象に残っています。

その顔に「ヤラレタ!!」と、感じました。ひとり事務所で髪を振り乱して、ものすごい量の事務処理と格闘していましたが、そんな時でもにこにこ楽しくしていたいなあ、と思わされたのです。そんな顔だったのです。そして、私がこうやって事務所でやっていることは、「村につながってる!」と、改めて感じることができました。


チェンマイに来て1年経ちました。村の人や、いろんな方々に可愛がってもらい、支えてもらい、私はとっても幸せだなあと思わずにはいられません。
これからもがんばります。

あしたはペ村というところで“森の出家”に参加してくる予定です!!
“森の出家”については、次回ブログに詳しく書きます。よろしければ、また読んでいただければ嬉しいです。


あしたが楽しみです。



     〔写真〕怖い顔(?)の優しい人たち。「オボ ウジャ!!」※前列中央はサムニアン